ゲームもそうですが、日本のアニメって本当におもしろいですよね。
ゲームやアニメをリアルタイムで楽しんでいるとき、日本に生まれてよかったなぁとしみじみ思います。
そんな日本アニメがどのように世界に広がっているのか、ちょっと興味がありませんか?
よろしかったら日本アニメの世界市場規模をいっしょにのぞいてみましょう!
日本アニメの世界市場規模は3兆円弱
次の図は日本動画協会がまとめたアニメ産業市場に関するレポートです。
産業統計の調査・発表 | 日本動画協会 (aja.gr.jp)
2021年は2兆7,422億円のうち、海外売上は1兆3,134億円。
全体の47.8%、約半分は海外売上であることが見てとれます。
2012年以降は10年連続で海外売上が伸張、2015年前後からの大幅な伸びは「爆買い」による中国での売上です。
ただ、海外売上の伸びは緩やかに鈍化しています。
日本国内も少子高齢化が加速しているので売上を伸ばせる見込みは乏しく、新たな海外市場を開拓していくのが重要になってきている状況です。
クランチロールユーザーは世界で1億2000万人
日本や東アジアのアニメストリーミングサービスを手掛けるソニー傘下のクランチロールが、次の狙いをインドに定めているようです。
アニメファンの数は中南米や東南アジアなど新たな市場で増えている。若者の人口が多いインドでユーザーを拡大できれば、娯楽コンテンツ事業の強化を図るソニーの取り組みに大きく寄与する可能性がある。
クランチロールのインド戦略は、より多くのコンテンツを取得し、アニメにヒンディー語などの吹き替えや字幕を付けて現地で受け入れられやすくすることだ。料金も引き下げて月約1ドル(約139円)と、米国で相当するプランの10分の1程度にした。
皮肉なことにクランチロールにとって最大の課題は、違法なストリーミングサイトへの対策だ。違法サイトはインドでもまん延しているが、クランチロールは競争力ある価格と独自のサービスでユーザーを最終的に有料会員に取り込めると考えている。
ソニーの新たな金の卵はアニメか、傘下のクランチロールがインド狙う - Bloomberg
クランチロールは、大御所アニメの「ドラゴンボール」や、「鬼滅の刃」「東京リベンジャーズ」「チェーンソーマン」「進撃の巨人」「スパイファミリー」「呪術廻戦」といった日本でも大人気のアニメを世界中で配信しています。
2022年時点で世界で1億2000万人のユーザー、1000万人の有料会員を抱えますが、主力のアメリカなど西欧諸国での伸びが鈍化しているため、今後急拡大が見込まれる若年層の多いインドに目をつけたようです。
それにしても世界人口80億のうち1億2000万人がユーザーであるのはすごいですね。
極端な話、全世界の80人のうち1人は日本アニメを見聞きしたことがあることになるわけですから、もう日本文化として揺るぎない地位を確立しているといっても良いですよね。
世界人口1位のインドでのアニメ産業市場価値
こちらは日本動画協会から引用した日本アニメの海外展開マップです。
産業統計の調査・発表 | 日本動画協会 (aja.gr.jp)
契約件数200以上のアメリカとカナダの人口は4億人弱。
契約件数100以上200未満の中国は人口14億2500万人。
契約件数10未満のインドは人口14億2800万人。
投資先として未開拓のインドはまちがいのない選定ですよね。
次の表は2023年の世界人口上位の国々です。
UNFPA(国連人口基金)が発表した2023年世界人口白書から抜粋してまとめました。
順位 | 国 | 人口(百万人) |
---|---|---|
1 | インド | 1,428.6 |
2 | 中国 | 1,425.7 |
3 | アメリカ | 340.0 |
4 | インドネシア | 277.5 |
5 | パキスタン | 240.5 |
2023年の世界人口は8,045百万人。
35.4%以上の2,854.3百万人をインドと中国が占めています。
15歳未満の人口が中国は17%、インドは25%。
65歳以上の人口が中国は14%、インドは7%。
ちなみに少子高齢化が既定路線の日本は15歳未満の人口が12%、65歳以上の人口は30%です。
少子高齢化が進む中国と比べて、若者が多く年配者が少ないインドはアニメ産業市場としてはこの上なく魅力的な人口構成であることがわかります。
アニメに限らずインドは今後の世界の主役になるのはまちがいないですよね。
まとめ
ソニーグループのクランチロールは、日本と中国を除く全世界でのアニメファンが2025年までに8億人を超えると見込んでいるそうです。
ソニーは2020年に過去最高益の1.1兆円を超えて完全復活を遂げましたので、アニメ事業がさらなる飛躍のけん引役になるのは確実でしょう。
アニメのちからで日本経済をどんどん盛りあげてもらいつつ、個人としては成長著しいインドへの投資比率をふやしていくのがよりベターな判断かもしれませんね。
というわけで、人口最多のインドと中国が成長の鍵に:「3兆円」に迫る日本アニメの世界市場規模、でした。