NASDAQが7月24日に特別なリバランスを実施すると発表してから大型株が売り込まれる流れになりましたが、その影響はあまり長続きしなそうですね。
株価の上がり下がりはまちまちですが、マイクロソフトやアルファベット、テスラは好決算。
アップルやエヌビディアも業績はわるくないでしょう。
夏枯れ相場とよばれる時期でもありますので、リバランスの影響が消えてなくなるのは時間の問題かもしれませんね。
NASDAQリバランス実施による構成比率の変化
詳細は謎ですが、NASDAQ社の話によると、指数構成比率が4.5%以上を占める大型株の影響力が合計で48%を超えるときにウェイトを減らせるという取り決めのようでした。
下の表はNASDAQ100リバランスが実施される前後の比率と騰落率です。
大和アセットマネジメントのサイトから一部引用させていただいました。
時価 総額 (10億ドル) | 比率 7/24 | 比率 7/7 | 変化率 | 騰落率 (年初-7/24) | |
---|---|---|---|---|---|
アップル | 3,032 | 11.6 | 12.5 | -0.8 | 48.3 |
マイクロソフト | 2,566 | 9.9 | 12.9 | -3.1 | 43.9 |
アルファベット | 1,545 | 5.5 | 7.4 | -1.9 | 37.7 |
アマゾン | 1,322 | 5.1 | 6.9 | -1.8 | 53.3 |
エヌビディア | 1,102 | 4.2 | 7.0 | -2.8 | 205.3 |
テスラ | 854 | 3.3 | 4.5 | -1.2 | 142.3 |
メタ | 747 | 3.5 | 4.3 | -0.8 | 118.4 |
ブロードコム | 372 | 3.1 | 2.4 | +0.7 | 61.2 |
ペプシコ | 263 | 2.2 | 1.7 | +0.5 | 5.7 |
コストコ | 250 | 2.1 | 1.6 | +0.5 | 23.5 |
アドビ | 239 | 2.0 | 1.5 | +0.5 | 55.7 |
シスコ | 216 | 1.8 | 1.4 | +0.4 | 11.5 |
ネットフリックス | 190 | 1.6 | 1.3 | +0.3 | 45.3 |
コムキャスト | 180 | 1.5 | 1.2 | +0.3 | 23.8 |
AMD | 178 | 1.5 | 1.2 | +0.2 | 70.8 |
大和アセットマネジメントホームページ / 大和アセットマネジメント株式会社 (daiwa-am.co.jp)
リバランス実施前は構成比率4.5%以上の上位6社で指数の51.2%を占めていましたが、今回のリバランスにより上位7社まで含めて43.1%に抑えられました。
「構成比率4.5%以上の大型株の影響力が48%超えでリバランス実施」という話でしたから、かなり上位のウェイトを減らしてきた印象ですよね。
7社を合計すると-12.4%減です。
他の銘柄に比べてそこまで時価総額が大きいわけでもないエヌビディアの構成比率の縮小が際立っているような気がしますが、騰落率の高さが理由の一つかもしれませんね。
NASDAQ上位7社による構成比率の推移
つぎのグラフは上位7社の構成比率の推移です。
7社の合計比率だけみると、2022年12月前後の水準まで時間が巻き戻った感じです。
ただ、指数が減らされようが大型ハイテク銘柄の存在感が薄れることは絶対にないでしょうから、足踏みがあったとしてもその流れは一過性のものになるのかもしれませんよね。
2023年5月末時点のS&P500の構成比率と比較してみると、つぎのような結果になります。
NASDAQ 7/7 | NASDAQ 7/24 | S&P500 | |
---|---|---|---|
アップル | 12.5 | 11.6 | 7.3 |
マイクロソフト | 12.9 | 9.9 | 6.8 |
アルファベット | 7.4 | 5.5 | 3.9 |
アマゾン | 6.9 | 5.1 | 3.0 |
エヌビディア | 7.0 | 4.2 | 2.7 |
テスラ | 4.5 | 3.3 | 1.5 |
メタ | 4.3 | 3.5 | 1.6 |
合計 | 55.5 | 43.1 | 26.8 |
リバランスが特定の銘柄への過度な集中を避けるNASDAQ社のルールであるのは承知していても、ぱっとしないというか、わくわくするようなおもしろみが少なくなってしまったなぁという感想です。
みなさんはいかがですか?
大型ハイテク銘柄以外も含めての分散投資でしたらS&P500を選びますから、上位7社にさらにがんばってもらって、構成比率をじわじわ回復させていってほしいです。
まとめ
ところで、NASDAQは世界最大の新興企業向け株式市場ですが、身の回りのハイテクな品々はすでに今の生活になくてはならないものばかりですから、ハイテク自体の歴史は浅くても必要なインフラとして認識できますよね。
株価の騰落率が高かろうが低かろうが、実際ところ、ハイテクはもう社会インフラを超えて、電気ガス水道と同じような生活インフラである気がします。
この先なかみ(企業)が代わることはあっても、ハイテク企業が生活を支えるのは確実ですよね。
と、ちょっと横道にそれましたが、リバランスが実施されたNASDAQについての雑感でした!