NASDAQのリバランスが7月24日に実施されるようです。
NASDAQのインデックスを保有している方はもやもやするニュースですよね。
あまり聞いたことがないので異例なのでしょうけど、最近の大型ハイテク銘柄の伸張は目をみはるものがありましたら、歪な状況を改善するために必然なのかもしれませんね。
NASDAQリバラスは大型ハイテク銘柄が焦点
アップルやマイクロソフトなどの巨大企業の成長は破竹の勢いを見せており、ナスダック100指数の構成銘柄に設けられた上限を突破したことを意味している。これを受けナスダックはこの種のものとしては初めてとなる「特別なリバランス」を実施し、指数構成銘柄のウエートを再配分すると7日に発表した。
ナスダックが異例のリバランス実施へ、米大型ハイテク株の市場支配で - Bloomberg
Bloombergによると、マイクロソフト、アップル、アルファベット、エヌビディア、アマゾン、テスラ6社の比率の合計が50.9%に達したようです。
100銘柄で構成されるうちのわずかの6社が指数の半分を占めているのはたしかに凄い状況ですよね。
詳細は謎のようですが、指数構成比率が4.5%以上を占める大型株の影響力が合計で48%を超えるときにウェイトを減らせるような話です。
ですので現在50.9%を占める大型ハイテク銘柄6社の比率を抑えることに。
報道では40%に抑えるとか。
憶測の範囲を出ませんから7月24日の発表を待つのが無難ですね。
リバランスでNASDAQの投資妙味が薄れる?
指数をけん引してきた大型ハイテク銘柄の比率が抑えられるということは、NASDAQの投資妙味が一時的にせよ薄れるということになるのかもしれません。
報道を受けて実際にアップルやマイクロソフトを始めとする大型ハイテク銘柄は急落しましたし、一投資家として、生成AI・半導体で盛りあがる株式市場に水を差すかたちになるのではないかとちょっとだけ心配です。
ただ、心配はしていますが、このリバランスはあまり効果がないのではないかとじぶんは思っています。
エヌビディアがそうであるように、いずれアップルやマイクロソフトに匹敵する大型ハイテク銘柄が登場するのでしょうけど、さすがにこれだけ大型ハイテク銘柄の勢いと影響力が強まっている状況になるってくると、構成比率をいじったところで大型ハイテク銘柄の時価総額が大きく縮小されるわけではありませんし、そもそも指数自体のうまみが著しく薄れる気がします。
NASDAQインデックスのうまみも薄れる?
マイクロソフト、アップル、アルファベット、エヌビディア、アマゾン、テスラの6社で50.9%ある比率を40%に抑えてしまうと、同じ6社で25%あるS&P500とそれほど違いがなくなりますし、そもそもNASDAQに連動するQQQのようなETFや投資信託の特色が損なわれるのではないかとも思えるのですが、実際のところどうなのでしょう?
上記6社の比率が39.02%あるVOOGは分配利回り0.97%・経費率0.1%ですが、QQQは分配利回り0.59%・経費率0.2%と、インカムゲインを狙うにしてもキャピタルゲインを狙うにしても、あまりに中途半端すぎる感じが否めない存在になってしまいます。
指数をインデックスするETFや投資信託の特色が損なわれるということは、大げさに言うと、指数自体の存在意義が薄れることにもつながるわけですが、そういうのをぜんぶ織りこんだうえでNASDAQが自らの構成比率いじりを計画しているのだとすると、このうえなく強気で頼もしくもあるんですが、青天井ということはないでしょうからある種の空恐ろしさを感じたりもします。
まとめ
成長産業があってその産業にしっかり乗っかっている大型ハイテク銘柄ですので、NASDAQの構成比率がどのように変わろうが実際の経済の潮目が大きく変わることはないですよね。
構成比率いじりは気になりますが、NASDAQにしてもS&P500にしても粛々と投資信託やETFを積立てるのみです。
というわけで、投資妙味が薄れる?NASDAQが異例の「リバランス」実施、でした。