半導体産業は半導体企業名を目にしない日がないくらい話題ですが、その半導体企業を支える半導体製造装置メーカーってあまり耳にしませんよね。
半導体製造装置あっての半導体ですので、半導体製造装置の優れた技術を持つアメリカとオランダ、日本の半導体製造装置メーカーについて見ていきましょう。
「半導体製造装置の売上高」上位10社
つぎの表は2022年売上高上位に入る半導体製造装置メーカー10社です。
証券取引所 | 企業 | 売上高 (百万ドル) | |
---|---|---|---|
1 | NASDAQ | AMAT アプライド マテリアルズ | 24854.4 |
2 | NASDAQ | ASML ASML | 21342.1 |
3 | NASDAQ | LRCX ラムリサーチ | 19047.7 |
4 | 東証P | 8035 東京エレクトロン | 16439.4 |
5 | NASDAQ | KLAC KLA | 10447.5 |
6 | 東証P | 6857 アドバンテスト | 3548.5 |
7 | 東証P | 7735 SCREEN | 2768.6 |
8 | Euronext | ASM ASMI | 2535.2 |
9 | --- | コクサイ | 2198.5 |
10 | NASDAQ | TER テラダイン | 2112.0 |
日本勢からは東京エレクトロン、アドバンテスト、SCREEN、コクサイが上位に名を連ねています。
日の丸半導体とよばれる世界一の時代もあったようですが、まだまだじゅうぶんすごいのがよくわかりますね。
なかでも上位4位に喰いこむ東京エレクトロンはコータデベロッパー、エッチング装置、成膜装置などの前工程を強みにしています。
アドバンテストは半導体検査装置の世界大手。
SCREENはウエア洗浄装置で世界屈指、コクサイは成膜プロセスやトリートメント(膜質改善)を得意としています。
ASMLとASMIの2社はオランダ勢で、ASMLは半導体露光装置を取扱う世界最大企業、ASMIはウエハー処理装置を取扱いしています。
その他4社はアメリカ勢です。
アプライドマテリアルズは半導体製造プロセスをすべてカバーする世界最大の半導体製造装置メーカー、ラムサーチはエッチング装置で世界最大のシェアを持つ企業です。
KLAはウエア検査装置やパターニング装置を、テラダインは半導体検査装置を手掛けています。
それぞれの企業が半導体製造プロセスのどの工程を強みにしているのか、半導体製造工程を見ていきましょう。
半導体デバイスを作る半導体製造装置とは?
まずは設計。
回路を設計してフォトマスクを作成する工程があります。
つぎに前工程。
ウェーハに電子回路を形成するまでの工程があります。
東京エレクトロンやSCREEN、コクサイが得意とする工程です。
露光装置ではASMLが、エッチングではラムサーチが世界最大のシェアです。
ウェーハ検査はKLAが得意とする工程です。
さいごに後工程。
ウェハをチップ状に切り出して、パッケージングをして検査を行う工程があります。
最終検査ではアドバンテストやテラダインがシェアの大半を占めています。
アプライドマテリアルズはすべての工程をカバーできる世界最大の半導体製造装置メーカーです。
イラストで分かる半導体製造工程|半導体業界研究サイト「SEMI FREAKS」 (semijapanwfd.org)
半導体についての解説がとてもわかりやすいSEMI FREAKSから引用しました。
いずれの工程が欠けても半導体デバイスは製造できませんので、半導体産業にとって、それぞれの半導体製造装置メーカーがとても重要な役割を担っているのがわかりますよね。
半導体製造装置メーカーの株価や配当利回り
つぎにそれぞれの半導体製造装置メーカーの株価や配当利回りを見てみましょう。
東証に非上場のコクサイと、Euronext市場のASMIは除外してあります。
銘柄 | 株価 | PER | PBR | 配当 利回り |
---|---|---|---|---|
AMAT アプライド マテリアルズ | 138.35 ドル | 18.02 | 9.28 | 0.72% |
ASML ASML | 684.48 ドル | 43.00 | 27.76 | 1.0% |
LRCX ラムリサーチ | 639.03 ドル | 18.80 | 13.43 | 0.9% |
8035 東京エレクトロン | 19,665 円 | 19.61 | 5.79 | 2.89% |
KLAC KLA | 460.98 ドル | 20.54 | 45.55 | 0.91% |
6857 アドバンテスト | 20,505 円 | 29.14 | 10.15 | 0.66% |
7735 SCREEN | 15,265 円 | 12.48 | 2.40 | 2.4% |
TER テラダイン | 115.14 ドル | 26.63 | 7.13 | 0.38% |
※PER・PBRは2022年10月時点、株価・配当利回りは2023年7月24日時点
昨今の盛りあがりから半導体関連銘柄は軒並み株価が高くなっています。
数年前と比べると軽く3倍以上に上昇している銘柄ばかりです。
これからも伸びる可能性は濃厚でしょうけど、単元未満株でないとちょっと手を出せない状況ですね。。。
NASDAQのアメリカ勢とASMLは配当利回りが低めですが、いちばん高い東京エレクトロンでも2.89%と控えめです。
財務はどこもしっかりしていているので安心して保有できそうです。
まとめ
売上高の上位3銘柄は海外勢ですが、日本には優れた半導体関連企業がたくさんあって嬉しくなりますよね。
配当利回りがもう少し良かったら完璧です。
またべつの機会に優秀な日本の半導体関連企業を紹介させてもらいたいと思います。
というわけで、得意な半導体製造工程をチェック!世界と日本の「半導体製造装置メーカー」 でした。
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