REUTERSによると、時価総額が3兆ドル(435兆円)を超えたAPPLEのS&P500を占める構成比率は過去最高の7.6%。
たった1社がアメリカ株式市場の7.6%を占めるだなんて、すごい時代になりましたよね。
[ニューヨーク 3日 ロイター] - 米アップル株が年初から49%も上昇したことで、アクティブ運用を手がける資産運用会社がまたジレンマに悩まされている。アップル株の時価総額は3兆ドル(約435兆円)を超え、株価指数に占めるウェートは過去最高となった。S&P・ダウジョーンズ・インダイシズによると、S&P500種総合指数におけるウェートは7.6%と、1銘柄として過去最大だ。
アングル:アップル株高騰に機関投資家ジレンマ、投資配分と運用成績巡り | ロイター (reuters.com)
日本ではぶっちぎりでトップのトヨタですら38兆円くらいでしょうからもう異次元クラスです。
ただ、そうなってくると、APPLE をはじめとするアメリカのハイテク銘柄が万が一にでも崩れたときが心配ではないでしょうか。
そこで現在のS&P500や全世界株式の上位構成比率をあらためて確認しておきましょう。
eMAXIS Slim を参考にしたいと思います。
eMAXIS Slim 全米株式(S&P500)
eMAXIS Slim の2023年5月31日時点の月次レポートです。
6月時点でAPPLEの構成比率は7.6%になっているので引き続き1位は確定です。
他の構成銘柄も若干の比率変動はあってもほとんど同じ傾向でしょう。
銘柄 | 業種 | 比率 | |
---|---|---|---|
1 | APPLE INC | テクノロジー・ ハードウェア・ 機器 | 7.3% |
2 | MICROSOFT CORP | ソフトウェア・ サービス | 6.8% |
3 | AMAZON.COM INC | 一般消費財・ サービス流通・ 小売 | 3.0% |
4 | NVIDIA CORP | 半導体・ 半導体製造装置 | 2.7% |
5 | ALPHABET INC-CL A | メディア・ 娯楽 | 2.4% |
6 | META PLATFORMS INC-CLASS A | メディア・ 娯楽 | 1.6% |
7 | BERKSHIRE HATHAWAY INC-CL B | 金融サービス | 1.6% |
8 | TESLA INC | 自動車・ 自動車部品 | 1.5% |
9 | ALPHABET INC-CL C | メディア・ 娯楽 | 1.5% |
10 | UNITEDHEALTH GROUP INC | ヘルスケア機器・ サービス | 1.2% |
5月31日時点で上位10銘柄で全体の29.6%、ほぼ3割を占めています。
APPLEの比率が7.3%から7.6%に高まっているので他のハイテク銘柄も必然的に同じ傾向にあると考えると、2023年7月に上位10銘柄が占める割合はさらに大きくなっているのは確実でしょう。
2023年下半期もS&P500好調が続けば上位10銘柄が占める割合はさらに大きくなります。
そうなった後に何らかの影響からハイテク銘柄が下落すると保有資産がしんどい状況におちいります。
バブルな状況ではないのでしょうけど、じぶんは今の好調さに少し危うさも感じて不安です。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
同じく eMAXIS Slim の2023年5月31日時点の月次レポートです。
上位10銘柄は次の通りです。
銘柄 | 国・地域 | 業種 | 比率 | |
---|---|---|---|---|
1 | APPLE INC | アメリカ | 情報技術 | 4.5% |
2 | MICROSOFT CORP | アメリカ | 情報技術 | 3.8% |
3 | AMAZON.COM INC | アメリカ | 一般消費財・ サービス | 1.8% |
4 | NVIDIA CORP | アメリカ | 情報技術 | 1.6% |
5 | ALPHABET INC-CL A | アメリカ | コミュニケーション・ サービス | 1.2% |
6 | ALPHABET INC-CL C | アメリカ | コミュニケーション・ サービス | 1.1% |
7 | META PLATFORMS INC-CLASS A | アメリカ | コミュニケーション・ サービス | 0.9% |
8 | TESLA INC | アメリカ | 一般消費財・ サービス | 0.9% |
9 | TAIWAN SEMICONDUCTOR MANUFAC | 台湾 | 情報技術 | 0.7% |
10 | UNITEDHEALTH GROUP INC | アメリカ | ヘルスケア | 0.7% |
APPLEの構成比率は4.5%。
極端に偏りすぎていないので、順当といえば順当ですよね。
気がかりなのはTSMC以外ぜんぶアメリカであること。
国・地域別で見ると、じつに59.6%、ほぼ6割がアメリカです。
国・地域 | 比率 | |
---|---|---|
1 | アメリカ | 59.6% |
2 | 日本 | 5.6% |
3 | イギリス | 3.5% |
4 | フランス | 3.0% |
5 | カナダ | 2.8% |
6 | スイス | 2.5% |
7 | ドイツ | 2.1% |
8 | オーストラリア | 1.8% |
9 | ケイマン諸島 | 1.6% |
10 | 台湾 | 1.6% |
1年前の2022年7月時点では60.4%でしたので、世界経済に占めるアメリカの影響力は落ちているものの、APPLEをはじめとするIT関連がどんどん巨大化している流れです。
S&P500信者でもあるじぶんにとっては喜ばしいはずなのですが、一部の銘柄のみに比重が偏っていく状況そのものには違和感を覚えます。
S&P500全振り路線で突き進むか。
リバランスしながら軸足を完全にオルカンに移行するか。
悩ましい時期に差しかかっているのかもしれませんね。
【まとめ】オルカンを積立して下落時にS&P500を買増し
ちょっと前からじぶんはオルカンを定期積立して、S&P500が下落したらETFをメインに買い増しする作戦をとっています。
S&P500を信じて全力で積立てたほうが数年後に圧倒的リターンを得られる可能性があるのですが、ちょっと不安が残るので基本の積立はオルカン。
下落時にS&P500を購入することでアメリカ経済の恩恵も頂戴しようという欲張りな方法です。
とりあえず2023年はそれでいくとして、2024年からの新NISAで何を選ぶかを思案中です。
非課税枠が大きくなるので、選択の幅も広がって投資家にとっては嬉しい悩みですよね。
というわけで、「S&P500」におけるAPPLEの構成比率が過去最高に!投資家はリバランスを考えるべき?、でした。