バリスタとかカフェの店長をつとめるずっとまえ。
ネルドリップでコーヒーを淹れるお店で副店長をしていたことがありました。
ネルは管理がむずかしんですが、所作がプロっぽくてカッコイイんですよね。
当時は自宅でもネル抽出していましたが、こだわり始めると奥が深くて、焙煎にも手を染めることに。
そして購入したのがこれ。
画像出典:AMAZON
アウベルクラフトの小型焙煎機です。
自家焙煎できちゃうんです。
土台の部分がガスコンロの五徳にひっかかるように作られています。
あみあみの部分に生豆を入れて、ハンドルをぐるぐる回すというシンプルな機械。
ガスコンロは強めの弱火~中火くらい。
時間をかけてじっくり熱を加えていく感じです。
豆の量は50g~200gでいろいろ試しました。
50gだとすぐ飲みきっちゃうので量を多くするんですが、そうすると焼きムラが発生。
半焼けの豆がちょびちょび残っちゃうんです。
全体にしっかりと火を通すには50g~100gがベストかも。
どんな種類の豆でも焙煎できますが、エチオピアとか小ぶりな豆は火の通りが速いので難しめ。
2ハゼのあと速やかにコンロの火を止めて冷まさないと深煎りになっちゃうんです。
冷ますと言っても、火を止めてからしばらくのあいだクルクル回しつづけるだけなんですが。。。
この簡易焙煎機の良いところは3つ。
浅煎りから深入りまで好みの焙煎度合にできる
好みのオリジナルブレンドを作れる
手頃な値段なのでお得
といったところでしょうか。
中浅煎りのハイローストなら1ハゼ(パチパチ)がもうすこしで終わるあたり。
中煎りのシティーローストなら2ハゼ(ピチピチ)が始まったくらい。
中深煎りのフルシティーローストは2ハゼ(ピチピチ)が盛りあがっているあたり。
深煎りのフレンチローストは2ハゼ(ピチピチ)の終わりあたり。
楽しみながら焙煎度合を調節できるんですが、フルシティーローストを目指していても、ちょっと油断するとあっというまにフレンチやイタリアンローストになっちゃうんですよね。
バライエタル(ストレート)を数種類焙煎してから混ぜるとアフターミックスのおいしいオリジナルブレンドを作れるのも魅力です。
じぶんはグァテマラとインドネシア(マンデリン)が好きでよくブレンドしていました。
バランスの良い酸味のなかに力強い重厚な味わいが加わって好みなんです。
100%じぶん好みで、しかも安いという素晴らしさ。
グァテマラのSHBが1kg2,000円弱。
マンデリンのG1が1kg2千円ちょっと。
2kgで4千円ちょっとなんです。
スタバやタリーズで2kgのコーヒー豆を買うとかるく1万円オーバーですからかなりお得。
もちろん、お店の商品は焙煎などの手間賃が入っているんですが、その焙煎作業を手間ではなくて、優雅にのんびり過ごせる贅沢な時間と捉えれば、さらにお得感が増しますよね。
逆に、簡易焙煎機のネックは3つ。
ガスコンロの火が熱い
匂いと煙が大量発生する
チャフで辺り一面が汚れる
といったところです。
まず、熱さ(暑さ)。
ガスコンロに10数分間も向きあうので暑いです。
冬ならむしろ暖かくて良いですけど、夏はしんどさMAX。
汗だく必至です。
それと、コンロ上でハンドルを回し続けるので手指が熱くなるんです。
強めの弱火から中火なので、そこそこ火力があります。
ですので、手袋をはめていないと無理レベルです。
かなりの熱さ。
熱耐性が弱い方は手袋必須です。
そして、さらに悩ましいのが匂いと煙。
生豆がポップコーンみたいに弾けて膨らむ過程を「ハゼ」と呼ぶんですが、そのハゼが起きはじめると煙が発生します。
焼肉したとき、またはそれ以上のけっこうな量の煙です。
煙は匂いを伴うので匂いも充満。
キッチンなど屋内だと換気扇を出力最大で回さないと排煙できないくらいです。
アパートやマンションの高階層、または敷地が広い一軒家でないと、向こう数軒まで匂いが届いちゃうかも。
ご近所との関係が良好なら「最近コーヒーの焙煎はじめたんですよ、今度おすそ分けしますね」という会話ができるでしょうから心配ありませんが、疎遠だと苦情が寄せられる恐れがあるくらい強い匂いです。
コーヒーが大好きな方なら問題ないんですけど、まったく好みでない匂いってただの苦痛でしかないので気をつけましょう。
そしてチャフ。
コーヒーの薄皮のシルバースキンが焦げたやつ。
それがじぶんの全身とガスコンロ周辺に付着、キッチンのあちこちに飛散します。
ですので、掃除機でのおそうじが必須。
換気扇に油汚れがあるとチャフが付着して取りにくくなるので、事前に油汚れを落として、フィルターを交換しておくのがおすすめです。
薄いのが大量に出るので、粘りついちゃうとけっこう頑固で厄介です。
という感じで、まとめるとこうなります。
良いところ
✅ガスコンロを使うので暑い(熱い)
✅匂いと煙が大量発生する
✅自家焙煎なので値段を安くできる
ネックになるところ
✅好みの焙煎度合にできる
✅オリジナルブレンドを作れる
✅チャフで辺り一面が汚れる
匂いと煙が多いのでご近所への配慮が必要ですが、自家焙煎できちゃう小型焙煎機はコーヒー好きにはたまらないアイテムです。
焙煎したあとはこういう密閉できる瓶に詰めておくとカフェっぽくてお洒落。
「グァテマラSHB」とかラベルを貼り付けたらほぼお店ですよね。
バライエタルをいくつか焙煎して陳列しておくと、その日の気分でブレンドして挽いて飲めるので、ちょっとずつちがった味を楽しめておすすめです。
というわけで、【アウベルクラフト小型焙煎機】おすすめポイントとデメリットを紹介、でした。
手頃な値段で造りがしっかりしている【アウベルクラフト小型焙煎機】で自家焙煎しちゃいましょう!