観測史上最高の暑さ!
毎年この時期になるとよく耳にしますよね。
恒例行事のようで珍しくなくなりましたが、暑さはもちろん、異常気象が気がかりですよね。
むかしのような気候にすぐに戻すのはむずかしいでしょうから、資源をムダ使いしないとか、じぶんにできることから意識していきたいですね。
というわけで、むかしと比べて異常なくらい激しい夏の暑さ!
この暑さに順応できる・熱さへの耐性のある生きものを独自にランキングします!
👑生きもの暑さの強さランキング
さっそく暑さの強さランキング発表です!
星5つ⭐⭐⭐⭐⭐が最高ランク。
生命維持可能な外気温・体温の高さをもとに評価しました!
結果はつぎのとおりです!
👑 暑さの強さ ランク | 生きもの | 耐えられる 外気温 | 特徴 |
---|---|---|---|
⭐ | ヒト | 湿度100%なら30℃ 湿度24%なら50℃も | 優れた 発汗機能 |
⭐⭐ | ラクダ | 40℃超も | 水分を 血液中 に貯蔵 |
⭐⭐⭐ | オリックス | 40℃超も 体温45℃でも平気 (哺乳類は43℃が限界) | 脳みその 動静脈が 絡み合い クーリング |
⭐⭐⭐⭐ | ポンペイワーム | 水温80℃でも平気 | 謎多し |
⭐⭐⭐⭐⭐ | クマムシ | 100℃超も | クリプトビオシス 状態ならあらゆる 耐性ありのチート |
チートな耐性を持つクマムシが1位です!
おめでとう!クマムシ!
というわけで、それぞれの特徴を解説していきます!
ヒト
⭐星1つはヒトです。
星1つですが、じつは人間はかなり暑さに強い生きものなんです!
理由は発汗。
汗が蒸発するときに体温を奪っていく気化熱で体温を下げる仕組みが秀逸なんですね。
体温調整のために汗をかく生きものってそんなに多くなくて、ヒトのほかはウマ。
涼し気なイメージのウマですが、じつは汗をかくんですね。
ただし、ウマは運動したり緊張状態にあるときに汗をかきますが、平常時は暑くても汗をかけないみたいなんです。
ヒトとウマは発汗システムが微妙に異なるんですね。
ウマは筋肉マッチョだからクールダウンに必要になる気化熱もヒト以上に必要。
同じ汗でもヒトほど体温調節に優れた発汗システムではないようなんです。
いっぽう、ヒトは1時間に1500グラムの汗をかくことができます。
その気化熱は1000ワットの放熱に相当。
例えが極端かもしれませんが、1000ワットのトースター1時間分の熱量を放熱できるわけですね。
人類が繁栄できているのは、発汗による体温調整が優れているからなのかもしれませんね。
ヒト
✅発汗による体温調整可能
✅1時間に1500グラム汗をかける
ラクダ
⭐⭐星2つはラクダです。
ラクダは水を飲んだときに余分な水分を血液中にためておくことができるんです。
「背中のコブに」ではなく「血液中に」です。
じつは背中のコブは脂肪のかたまり。
炎天下の直射日光から熱を遮る役割を果たしているんです。
あのコブ、水をたくさん貯めてるようなかたちですよね。。。
ラクダが一度に飲む量は80リットル!
2リットルのペットボトル換算で40本分!
場合によっては100リットル以上も飲むようです。
他の生きものは水分を過剰にとると血液中の赤血球まで水分が浸透して赤血球が破裂してしまいますが、ラクダの赤血球は倍以上にふくらんでも破裂しないらしいです。
だから水をたくさん飲めるんですね。
というか、80~100リットルもの水をたくわえておける血管が頑丈すぎてすごいですね。。。
ラクダ
✅水分を血液中にためておける
✅一度に水を80リットル以上飲む
オリックス
⭐⭐⭐星3つはオリックスです。
オリックスはウシ科の草食動物です。
体調は1.6メートルから2.4メートル。
アフリカの砂漠やサバンナで暮らしています。
昼がとっても熱くなる土地ですよね。
だいたいの哺乳類は外気温が高くなると発汗したり呼吸を早めたりして気化熱で体温を下げます。
でもオリックスが暮らす砂漠やサバンナは水がとても貴重です。
そのためオリックスは汗をかかないで体温が45℃くらいになるまで我慢できるんです。
哺乳類は脳が43℃を超える高温になると生命維持できなくなりますが、オリックスは平気。
平気でいられる理由は脳みそにあるんです。
呼吸によって鼻腔を通る静脈の血が冷やされます。
その冷やされた静脈が脳みそに向かう動脈と絡みあって熱くなっている血を冷やすというシステムなんです。
そのおかげで脳みその温度を体温より低く維持できるようなんですよ。
体が火照っていても頭はいたってクールなんですね。
オリックス
✅体温45℃まで平気
✅脳の動静脈が特殊構造
ポンペイワーム
⭐⭐⭐⭐星4つはポンペイワームです。
ポンペイワームはゴカイの仲間。
ゴカイは海釣りのときエサに使われるゲジゲジみたいな海の生きものです。
虫が超苦手な人にとっては見た目が完全NGなおぞましさ。。。
そんなポンペイワームですが、深海の熱水噴出孔に生息しています。
深海は2℃前後の低い水温ですが、熱水噴出孔付近は80℃くらいの高温になっています。
高温になる理由は活発な海底火山です。
重金属とか硫化水素などの化学物質が溶けだす高温の熱水が噴き出してくるんです。
400℃を軽く超える熱水が噴きだしてくるので、場合によってはポンペイワームが生息する熱水噴出孔付近はそうとうな高温になります。
そんな過酷な環境に耐える生命維持のメカニズムはまだ解明されていないのですが、ゴカイの仲間なので茹であがってしまわないか心配ですね。
ポンペイワーム
✅80℃くらいの高温の海水でも平気
✅茹であがらない理由は不明
クマムシ
⭐⭐⭐⭐⭐星5つはクマムシです。
緩(ゆる)やかに歩くので緩歩動物(かんぽどうぶつ)と呼ばれるクマムシですが、かたちがクマに似ているから「熊虫」でもあるようです。
イラストは可愛いんですが、リアルはちょっとグロイ感じがしないでもなく。。。
でもたしかに熊に似ているんです。
体長は50マイクロメートルから1.7ミリメートル。
じっくり見てもどこにいるのか確認できないくらい小さいです。
地球上のいろんな場所に生息しています。
見た目はフツーですが、クマムシは100℃を超える環境でも生存できます。
ヒトの感覚ではちょっと理解できませんが、寒さにも強くて絶対零度に近い環境でも生きられるんです。
しかも体の水分が3%以下の極度の乾燥状態でも大丈夫。
ヒトは体重の10%の脱水で筋肉けいれんや腎機能消失、20%で生命維持が難しくなります。
97%脱水しても平気なクマムシのすごさが良くわかりますよね。
宇宙空間の真空状態や7万5千気圧の超高圧下でもぜんぜん平気というすさまじさ。
7万5千の高圧って、ダイヤモンドを造るときに近い超高圧なんです。
ただし、「クリプトビオシス」という無代謝の休眠状態になっているのが条件です。
代謝して生きているときはそこまでチートに耐性強化できないんですね。
でもそういう仮死状態?になって耐えられるだけでもじゅうぶんすごすぎますよね。
クマムシ
✅クリプトビオシス状態ならほとんど全属性耐性強化
🔥番外編~強そうで意外と暑さにそこまで強くないもの
暑さに強そうに見えてじつはそこまで強くないものとして「エアコン」をえらびました!
エアコンは外気温が43℃までなら正常稼働する規格になっています。
開発時点で試験運転しているメーカーが43℃までなら大丈夫と保証してくれるているわけですね。
ただ、裏をかえすと44℃を超えると故障する可能性が一気に高まるということ。
哺乳類の脳が生命維持できる温度も43℃、生命維持困難になるのが44℃以上ですので、同じですね。
エアコンの部品自体も発熱しているので外気温が高温になって冷却が追いつかなくなると不具合が出てくるのでしょう。
そう考えると、生きものってそれぞれの体にそれぞれの環境に合った優れた機能を備えているのがよくわかりますよね。
エアコン
✅外気温43℃までなら正常運転可能
さいごまで読んでくださってありがとうございます。
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実感できる!シリーズって、生きている時代がちがうので実際にはありえない設定ですけど、ありえないことを比較するのっておもしろいですよね。
ドラえもんの道具があったらこんなふうにリアルに見ることができるのでしょうね。