私たちの身近な存在のイヌやネコって、視力がどれくらいあるか知っていますか?
まっすぐ見つめてくるので目が良さそうですが、じつは0.2くらいなんです。
近くがぼんやり見える感じですね。
色の識別能力は低くてセピア色に見えるようです。
その代わりに聴覚や嗅覚が優秀です。
イヌの嗅覚はヒトの数千~数万倍、ネコの聴覚はヒトの3倍なんです。
イヌやネコのように、生きものはじぶんが得意とする感覚ががありますが、今回は視覚を発達させた生きものをランキングします。
それでは目の良さ最強の生きものを確認していきましょう!
👑生きもの目の良さランキング
さっそく目の良さランキングの発表です!
推定される視力から、星5つ⭐⭐⭐⭐⭐を最高ランクとして評価しました!
結果はつぎのとおりです!
👑 視力ランク | 生きもの | 視力 | 特徴 |
---|---|---|---|
⭐ | ヒト ゴリラ チンパンジー オランウータン | 2 ※1 | 遠方も細部も識別 立体的に認識 色を識別 |
⭐⭐ | キリン | 2 ※2 | 長い首で遠方まで広い視野 |
⭐⭐⭐ | カメレオン | ? ※3 | 両眼別々に焦点化 視界360度 立体的に認識 |
⭐⭐⭐⭐ | フクロウ | 16 ※3 | 夜間によく見える 270度首回転で広い視野 近距離苦手 |
⭐⭐⭐⭐ | ワシ タカ トンビ | 16 | 2km先を詳細に識別 50m先のアリを識別 |
⭐⭐⭐⭐⭐ | ダチョウ | 20 | 脳みそより大きい目 10km先を認識 50m先のアリを認識 |
※筆者の個人的な考えも反映されていますので予めご了承ください
※1 ケニアのマサイ族は除く
※2 詳細な研究は進んでおらず不明な点が多い
👑ダチョウが星5つで目の良さでは最強です!
おめでとう、ダチョウ!
すごいぞ、ダチョウ!
ヒト、霊長類
⭐星1つはヒト、ゴリラ、チンパンジー、オランウータンなどの霊長類です。
遠くを見るのはもちろん、近距離の細部も詳細に識別できるのが特徴です。
手先が器用なのはそのおかげなんですね。
また、両目で見ることで物体を立体的に認識できます。
距離や奥行きを正確に認識できるわけです。
色を識別できるのも大きな特徴です。
色を見分けられるのはヒトを含む霊長類と鳥類だけなんです。
ヒトは3原色の赤・緑・青を識別できます。
ヒトは視力という機能をバランス良く使いこなせている感じですよね。
ちなみにですが、ケニアのマサイ族は視力が3~8あります。
なかには12以上のツワモノもいるようです。
サバンナの猛獣から家畜を守るために視力が優れたようです。
環境に合わせて能力も変化していくということですね。
✅視力2
✅遠くの物体も近くの物体も識別できる
✅物体を立体的に認識できる
✅色を識別できる
キリン
⭐⭐星2つはキリンです。
長い首と大きな目で360度ほぼ全域を遠くまで見渡せます。
体長は4~6m。
1階3mと仮定すると、だいたい建物2階~3階の高さ。
はしご車にのって上から眺めている感じですから、すごいアドバンテージですよね。
ただし首が長いため地上、とくに足元を見るのが苦手です。
推定視力は2前後です。
哺乳類のなかでは優れた視力の持ち主です。
詳細な研究が進んでいるところですが、まだわからないことが多いんです。
✅視力2.0
✅長い首で遠くまで見渡せる
カメレオン
⭐⭐⭐星3つはカメレオンです。
全身が特徴だらけのカメレオンですが、視力はとくに際立っていて、他のいきものと大きく異なります。
左右の目を別々に独立して動かして、左右別々に焦点を合わせることができるんです。
とても器用ですよね。
それと外に飛び出るような目。
あの目のくぼみの眼窩に強力な筋肉があって、その筋肉がばらばらに動く左目と右目をしっかり支えることで全方位型360度の視界を獲得できています。
目から入ってくる情報量がすごそうで混乱しそうですが、カメレオンは単眼視と両眼視を切り替えて距離を正確に判断したり、物体を立体的に捉えたりできます。
30m先のハエやちいさな虫を逃さず捉えることができるんですよ。
✅左右別々に目の焦点を合わせられる
✅左右別々に目を動かせる
✅視界360度で立体視も可能
フクロウ
⭐⭐⭐⭐星4つはフクロウです。
他の猛禽類も星4つですが、まず夜の部のフクロウから。
フクロウは視力16。
ヒトの視力の8~10倍と言われています。
ヒトが1mの距離で認識できる小さな虫を、フクロウは数10m離れていてもはっきり識別できるんです。
また、ヒトと同じく正面に左右の目があるので物体を立体視できます。
ただしフクロウはヒトのように目を動かせません。
眼球が固定されているんです。
そのため首を270度も回せるようになりました。
首をくるくる回せるのは、視野の狭さをカバーするためだったんですね。
そして最大の特徴は夜。
フクロウは夜間にその強みを発揮します。
フクロウは目が大きいので取りこめる光がわずかでもよく見えます。
目が大きくなって、目をおさめる頭も大きくなったのは夜に狩りするためなんです。
昼に行動するとタカやワシとバッティングするため夜行性になったわけですが、見ためが可愛くなったのには切実な理由があったんですね。
フクロウは夜目が効きますが、代わりに色の識別ができません。
目に映るのはモノクロームの世界のようです。
また、数10センチの近距離も苦手なんです。
✅視力16
✅立体視できる
✅目は動かせないが首を270度回せる
✅色は識別できないが夜目が効く
ワシ タカ トンビ
⭐⭐⭐⭐星4つはワタシ、タカ、トンビです。
フクロウと同じ星4つですが、こちらの3羽衆は昼の部です。
視力は16。
2キロ先を拡大して見れたり、50m先のアリの動きを識別できます。
イメージ通りのすごさですね。
青空の海辺でお弁当を食べていると突如トンビにかっさらわれますが、まさにこの猛禽類の優れた能力ですね。
鳥類の視野は300度あって、ヒトが見ることができない紫外線も認識できます。
その視細胞は150万個。
ヒトの20万個の7倍以上です。
目に映る世界すべてがびっくりするくらい色鮮やかなんでしょうね。
ちょっと見てみたいですよね。
✅視力16
✅焦点距離が長い
✅色の識別のほか紫外線も認識できる
ダチョウ
⭐⭐⭐⭐⭐星5つは、飛べない鳥のダチョウです。
ダチョウは視力20。
双眼鏡や望遠鏡が視力20相当ですから、かなりの能力です。
かなりすごい理由は目の大きさ。
左右それぞれ直径5センチあります。
眼球が脳より大きいんです。
その目で50m先のアリの移動を識別できます。
10キロ先の物体でも認識できると言われています。
卵が地球上最大の大きさだったり、強い免疫力を持っていて病気しなかったり、時速60キロで30分走り続けられたり、目以外もすごいスペックのダチョウです。
🐸番外編~目が弱い生きもの
逆に目が弱い生きものを見ていきましょう。
ポイントは、目が弱くても視力以外の感覚が優れていることです。
それぞれの得意分野を活かして生きているということですね。
生きもの | 視力 (推定) | 特徴 |
---|---|---|
モグラ | 0.01 | 地中生活で目が退化 代わりに嗅覚が発達 |
コウモリ | 0.1 | 夜間生活で目が退化 代わりに超音波で周囲を把握 |
イルカ | 0.1 | 視力の他の感覚が発達 エコーロケーションによる 超音波で周囲を把握 皮膚感覚で水流や振動を感知 |
サイ | 0.1 | 近視 嗅覚と聴覚が発達 天敵はゾウとヒト |
魚類 | 0.2 | マグロ・カツオは視力0.4 他の魚類は0.2 深海魚は目が退化 側線という器官で周囲を察知 |
タコ | 0.7 | 腕の付け根に目が2つ |
ヒトデ | ??? | 5本の腕の先端に目 見え方は200ピクセル画像 |
カエル | ??? | 立体視可能 夜でも色を識別できる唯一の脊椎動物 新月の暗闇でも色を識別可能 |
ピックアップ1つめはサイ。
だいたいの哺乳類は視力が良いのですが、サイは0.1。
体重3トンの巨体を持つサイの天敵って、ゾウとヒトのみなんですが、天敵が少ないので視力に頼る必要がなくなったのかもしれないとも考えられているんです。
ちなみに、サイの角は高値で取引されます。
サイの天敵がヒトであるのはそれが理由なんです。
天敵ゾウとの戦いは、戦いを回避しようと試みるゾウに、サイが突撃してしまうようです。
サイはゾウに返り討ちにされて命を落とすこともあります。
あまり見えなくてもちゃんと相手を確認しないといけませんよね。
ピックアップ2つめはヒトデ。
ヒトデの見え方は200ピクセル画像くらいです。
むかしのゲームのドット絵が視界全面に拡大して見えている感じでしょうか。
光を感じるくらいの視力かもしれませんね。
というわけで、【決定版】生きもの推定視力ランキング!目が見えすぎるすごい生きものって何?、でした!